黒髪マドンナ
悠馬は同じサークルの仲間。
一緒に何度も飲んだし、朝までバカみたいにゲームして過ごした日もあった。
あたしたちは学部が同じということもあり選んだ授業が偶然いくつか被り自然と一緒にいる時間が増えた。
悠馬には高校時代に別れてからずっとよりを戻したいと思っていた元カノがいたし、あたしにはサークル内にかっこいいと憧れる2個上の先輩がいた。
どちらにも好きな人がいるのでお互いを恋愛対象に見ることは一度もなかった。
「…悠馬、最近元カノの唯子ちゃんとはどうなの?」
大学近くのマックであたし、悠馬、優香と過ごす授業の空き時間。
優香もあたしたちと一緒で学部もサークルも一緒というよく一緒にいる仲間の一人だ。
多めの塩をまといカリカリになったポテトの端を口に運びながらあたしは何の気なしに聞いた。
マックの小さな窓を背にする悠馬はいじっていた携帯から視線を上げた。
ハニーオレンジ系に軽く染めた悠馬の髪がいつもより明るく見えた。
< 3 / 4 >

この作品をシェア

pagetop