secret…xxx

目を閉じる隙もなく、一瞬だけ触れた唇。

滅多にしてくれない樺乃からのキスに思わず口元が緩む。

それだけでも充分安心出来るのに樺乃は恥ずかしそうに俺を見上げて。


『…いまの、で…信じてくれる?私のこと』


狙ってんじゃねぇのってくらい安心通り越して煽るような台詞。


樺乃は気付いてねぇけど、最初から余裕なんて全然ないし、不安なのは俺の方。
でも男ってやっぱり格好つけたい生き物で。特に俺は受け身じゃねぇし。



『…全然』

『へ?』

『足んない。まだ無理』



だから。

その身体を引き寄せてどこにも行かないように抱き締めて。

囁く言葉は意地悪に。



『だから…続きは部屋で、な?』

『!!』



嫉妬なんて格好悪いしイライラするだけだけど、

樺乃がキスしてくれんならたまにはいいかなって思ったり。



end.


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