あの約束をもう一度・・・。
暗黙のわたし
桐島沙希(17)
いつも窓から外を見ていて、何かあるとすぐキレる。
そしてなぜか「暗黙の魔女」と言われている。
今日からまた、楽しくない一年が始まる。
「おはよう♪♪」
すごく明るい女子の声が鳴り響く。
私はいつものように外を見て、黙ったまま。
「なぁ桐島!!」と不意に私に話しかける男子。
「・・・。」
「なんだよ、愛想が良ければいいのにな」
「ダマレ」
「はぁ??」
「私に喋りかけるな。」
そう言って私は屋上へ向かった。
「はぁー」
私は屋上の床に寝そべり、制服の袖を捲った。
数本のリストカットの痕。
私は自分を傷付けては泣いている。
人の愛し方が分からない。
だって私は・・・・。
誰にも愛されたことないのだから。