君色
それから、一年という時間はあっという間に流れ
彼女と出会ってから二度目の春が訪れた。
俺は、片桐からもらった合格祈願のお守りを握り締め、志望校の門をくぐる。
今日は合格発表の日。
ホワイトボードに貼り出された数字の羅列を真剣な顔で睨む受験生達。
泣いて喜んでる奴もいれば人生の終わりだというような顔をしている奴もいる。
俺は1069番。
当然、合格だ。
たいして余韻に浸れる事もなく俺は門を後にして、中野と待ち合わせをしているファミレスに向かった。