君色
しかし、今思えば、そもそもその選択自体が間違っていたのかもしれない…。
もしもこの時、転職に反対をしていれば…
あんな事にはならなかったんだろうか…?
俺は高校生になり、円は再就職を決めた。
晴れて恋人同士になれた事だし、もうこれからは堂々と手を繋いで一緒に出かけたり出来るんだって思ってたのに…。
「えーーー!?またぁ!?」
「ごめん!!絶対埋め合わせはするからっ!下っ端だから断れなくてさ」
円がやりたいと言っていた仕事は、俺が想像していたよりもずっと忙しくて、過酷な仕事だった。
「いらっしゃいませぇ〜〜」
だから俺は、こんな学校の無い日でも朝から夜までバイトを詰めて少しでも寂しさを紛らわせようとしているのだ。
アルバイトなんて一生縁が無いと思ってたんだけどなぁ。
俺が言うのもなんなんだが、俺の家は超がつく程金持ちだ。
だから、アルバイトなんてそんな理由でも無い限り、する必要がない。
人生って、何があるかわかんねぇもんだな。