君色


「おはよっ」

下駄箱で上履きに履き替えているところを
誰かにバシィッとかばんでどつかれる。

学校で俺にこんな事をするやつは一人しかいない。

「いってーなぁ…チィ!」

「ごめんごめん、強すぎた??」


そう言ってにこっと笑うチィの笑顔は、気味が悪いくらい喜びに満ちていた。


「何かいい事あったの?」


俺が尋ねると、チィはその言葉を待ってましたとばかりに背後に花を散らした。



「分かるぅ〜〜〜!?ちょっと聞いてよーーー!」


きゃぴきゃぴと大声で騒ぐチィの横で俺が耳をふさぎながら歩いていると、見覚えのない3人組の女子に行く手を阻まれた。


両者の間に、ただならぬ雰囲気が漂っている。
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