君色
「…他の学校に男がいるクセに、北斗さんにつきまとってどういうつもり!?」
真ん中の、いかにも性格の悪そうな女がそう言った。
…なんでコイツ俺の名前知ってんだ?キモい!!
「つーかどけよ。通れねぇだろ」
俺がその女に一睨みきかせると、女は一瞬後ずさりしたが、負けずと食い下がってきた。
「北斗さんはお先に行っててください。あたし達はこの女に用があるので」
そいつが手を伸ばしてチィの腕を掴もうとした瞬間、
「触んじゃねぇよ!!!ブス!!!」
俺は無意識にそう叫んでいた。
登校してくる生徒達で賑わっていた廊下が一気にしーんとなり、視線が俺たちに降り注いだ。