君色


あまりの迫力の凄さに3人組はへなへなと地面へ腰を落とす。


俺はかまわずチィの手を引き、3人組を蹴散らしてそこを突破した。



ある程度距離が離れた所で

「あ…りがと」

と、チィがぼそっと呟いた。



「お前…いじめられてんの?」


いつも笑顔でいるから、そんな事夢にも思わなかったけど

考えてみればコイツが学校で女友達といる所を見た事がない。


「うーん…何つーか、昔からあの子にやたら張り合われてるんだよね」


なんとなく授業を受ける気になれなかった俺とチィは屋上へ移動し、空を仰ぎながらその場に寝そべった。


風が気持ちいい。
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