君色


「高校…卒業したらね、あたしパリに留学しようと思ってるんだ…。あっちで一から勉強するために。北斗にも言えなかったんだけど…本当はあたし、タカと別れようと思ってるの…」

「え………」

「もう少し…。もう少ししたらちゃんと気持ちの整理つけるから…その時に胸を張って言いたいんだ。あたしが生きていく道はココだからって…だからまだ言わないで欲しいんだよね」



本当なら、俺は中野の肩を持つべきなのだろう。


でも…そんな事出来なかった。



正直、自分の夢を語るチィはかっこよかったし

どんな瞬間よりも輝いていて、ちょっとやそっとじゃ揺るがないその心の強さには、惹かれるものがある。


だからこそ…やりたい事も見つけられずにいる俺が、中途半端に口なんか出していいはずがないと思ったんだ。



「うん…。俺は、応援するから…」
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