君色
「ざまーみろっての」
「あたしは知らないよぉ…?どうなっても…」
「何よ、日向はアイツの味方なの?」
「そうじゃないけど…須往君、中学の頃かなりの問題児だったって聞いたから」
…ふーん。問題児ねぇ。
「中学の頃はでしょ?今じゃてんでフヌケじゃん」
「あたしの友達が須往君と同じ中学だったみたいなんだけど、キレると何するかわかんないんだって。ボッコボコにされて病院送りになった生徒や先生は数え切れないくらいいたみたい」
「や…やだ、脅かさないでよ。いくらなんでも女にそこまではしないっしょ」
「だといいけど…」
ビビる事なんてないよ。
靴隠したくらいでボコボコになんてされないでしょ。
そして、その日は何事もなく放課後を迎える事になるのだが、
あたしは、須往の靴を隠していた事をすっかり忘れたまま
日向と駅前の喫茶店で寄り道をしながら、気分上々で帰宅したのだった。