君色


どれだけ名前を呼び合ったかな。


そのたびにキュっと締め付けられるような、切なさにも似たこの胸の痛みは何なんだろう?




「愛してる…」




一生使う事がないと思っていた言葉を、俺は無意識に発していた。




愛してる。


何度言っても足りない。

何度身体を繋げても足りない。



俺は異常だろうか?


こんなにも愛しく、大切に思っているのに

こいつの全てを支配して、俺の事だけを考えるようにしたいなんて。



それが出来ないのなら、壊してしまいたいと思うなんて。
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