君色


「う…ん……?」

カーテンから差し込む日の光と小鳥のさえずりで目が覚めた。



パッと横を見ると、一足先にお目覚めの円の姿ある。


時刻は7時30分。

彼女はまだ、生まれたままの姿で布団にくるまっていた。



「おはよ。つーか、こんなゆっくりしてて大丈夫なの?」

「腰が痛いんだよ、腰が」

皮肉交じりに円が言った。


「…す…すんまそん」


どーも俺は、感情的になるとコントロールがきかなくなるらしい。



これからきっとまた、会えない日が続くんだろうな。



「100歩譲って、仕事が大変なら連絡はマメにしなくていいから…。その代わり時間がちょっとでもあいたら俺に会いに来てね?」


久しぶりに交わした『約束』。


円はニコッと笑って細く長い小指を俺の小指に絡めた。


寂しくないなんて言ったら嘘になるけど、大丈夫。


この約束があるから、俺は待っていられるよ。
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