君色


5月の心地よい季節が過ぎ

焼けるように暑い夏を越え

俺たちが出会った、あの季節がまたやってきた。

俺はこの季節が一番好きだ。



あれから、円とは順調に進んでいる。


でもやっぱり、平均で一月に1度会えればいい方だった。


どうやら円は力が認められて、ライターになったらしく、前よりももっと忙しくなったみたいだ。




「そっかぁ〜…クリスマスまで会えないのかぁ…」

「つってもあと2週間だけどな」


このバイトも、かれこれ半年以上続いているのだがチィと俺の仲は相変わらずだ。

中野とはどうなったんだと尋ねてみると、ちゃんと話し合いをする事が出来たんだとチィは嬉しそうに言っていた。


本当はその場で別れるつもりだったらしいが、中野の方から日本にいる間は傍にいたいと言ってきたようだ。


「お前もクリスマスは中野と過ごすんだべ?」

「まぁーねっ」




幸せそうだな、チィ。



二人が残された時間を有意義に使える事を俺は心から望んでいる。
< 133 / 270 >

この作品をシェア

pagetop