君色
「はぁ…」
須往が突然ため息をついて、押さえつけていた手の力を緩めた。
「もうやめようぜ、こういうの。バカらしくなってきた」
ば…ばか!?
あたしはカチンときた。
キッカケを作ったのは誰よ!
あたしだってこんなアホらしい事したくないっての。
「携帯の事根にもってんだろ?」
「へ?」
あぁ、そうだ。
コイツに携帯壊されたんだっけ。
「弁償してやるよ。それでチャラな」
「う…うん」
「じゃあ今日そのまま買いに行けば文句ねぇな?」
「うん…」
「じゃあ靴返せ」
「あ、うん…」
あたしは昨日靴を隠した場所から素早くそれを持ってきて、須往に返却した。
(てか、靴なくてどうやって帰ったんだろう?裸足で帰ったのかな?)
少し、やりすぎたかなとあたしも反省する。
しかし、あのクールな須往が裸足で下校してる様を想像すると、笑いをこらえるのに精一杯だった。