君色
第十二話

曇りのち晴れ

*******************************


「…何でお前が泣いてんの?」

「…だって…」



あたしは、中野の話を聞きいてるうちに、ぐすっぐすっと鼻をすすりながら大量の涙を流していた。



完全にもらい泣きだ。




同情している訳じゃない。


ただ…何も知らずにあんな事を言ってしまった自分にとても腹が立った。




そりゃ怒るよね。
偉そうな事言っちゃったけど…


さよならすら言えないまま二度と会えなくなってしまったら
気持ちの整理なんてつけようがないよね…



「あたし、北斗に謝ってくる!!保健室に行ったんだよね?」

「あ、あぁ…」



あたしは、いてもたってもいられなくなって保健室へ走った。



< 150 / 270 >

この作品をシェア

pagetop