君色
「…ぷっ。なんだそれ、めちゃくちゃ言うな」


涙を頬に滴らせながら、あどけない顔で笑う北斗。


あたしはその顔を見て、ほっと胸を撫で下ろす。



よかった…いつもの北斗だ。




「行こうぜ」

「え?」

「えじゃねーよ。お前学校に何しに来たわけ?」

「あ…あぁ」


あまりにも突然普通に戻るもんだから、あたしはそのノリに乗り遅れた。



なんだ。
元気じゃん。


ちょっと拍子抜けしちゃった。



でもま、いっか。
だってその方が北斗らしいもん。



この調子ならきっとすぐに、立ち直れるよね。


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