君色
…ってあれ??


(あたし達喧嘩してたよね!?)


もう関わるなって言われてたような…!


でも本人も忘れてるっぽいし…。


あたし…これからもそばにいていいのかな…?




あたしは、恐る恐るすぐ隣にある、北斗の指先をキュッと握ってみた。


「!」


ちらっと横目で北斗を見た時、彼の表情は一瞬固まっていたけど、あたしの手を払い除ける事はしなかった。



好き。


大好き。


北斗が振り向いてくれるならあたし、なんだってするよ…。




あたしたちは手を繋いだまま日向と中野のいる屋上へ向かった。


二人ともこっちを見て凄くビックリした顔をしてる。



「…フェイクは辞めたの?」


中野が尋ねると北斗はうつ向きながら少しだけ頬を染めた。


肯定すらしなかったものの、そのはにかんだ表情を見てれば語らずともわかる。




あたしはやっとスタートラインに立てたんだ。

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