君色
「今の…何?」

「!樹里!」


柱の陰から市川が姿を現した。



どうやら先ほどの会話を聞いていたらしい。



「余計な事言わないでよ!!やっと付き合えるようになったのに…北斗の気が変わっちゃったらどうしてくれるの!?」

「あたしは樹里のためを思って…」

「それが余計なお世話だって言ってるの!!流されてるだけでもいい。寂しさを埋めるだけでもいい。あたしに出来る事が一つでもあるなら傍にいたいの!!それの何処がいけないの!?」

「樹里…」

「北斗の気が変わったら日向のせいだからね!恨むからね!!」



市川はそう捨て台詞を吐くと、走って教室へ戻って行った。

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