君色
「サボリ魔発見」

「………」


屋上で日向ぼっこしてたら突然視界に中野の顔が侵入してきた。



「浮かない顔してどーした?」

「…お前は正義のヒーローみたいだな」

「はぁ?」

「俺のピンチに必ず駆けつけてくれるからさ」

「……………」



確かに今の俺は…とても誰かを好きになれる状態じゃない事くらい自分でも分かる。


分かってるけど…


円の夢を見て初めて気付いた。



自分が思ってる以上に、孤独を恐れているという事…。



―あたしがいるよ。あんたが背負ってるもの、半分持ってあげるから…―



あいつがそう言ってくれた事、本当は凄く嬉しかったんだ。



甘えてしまおうと思った。

俺は十分に苦しんだと思う。

いい加減解放されたかったんだよ。




でも、山本の言う通り…

それは俺が救われたいだけのエゴで、親友からしてみたら面白くない話だよな…。

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