君色


「え〜なんかそれって、放課後デートみたいじゃな〜い?」



事情を知った日向が、にやにやしながら冷やかす。


「ちょっとやめてよ。携帯弁償してもらうだけなんだからっ」

「でも、ちょっとラッキーとか思ってるっしょ?最初あれだけカッコイイって騒いでたんだから」

「まぁ…ほんのちょっとだけね!!」



日向にはかなわないなぁ。

あたしの思ってる事、ぜーんぶお見通しなんだから。


ほんとは少し、ドキドキしてる。


みんなの憧れの王子様を今日一日だけとは言え、独り占めできるんだもん。
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