君色
「なんか元気なくない?」
いつものように北斗と一緒に帰っていると、異変に気付いたのか、彼は心配そうにあたしの顔を覗きこんできた。
「ううん、なんもないよ?」
余計な事を考えるのはやめよう。
今だって充分幸せなんだから。
大丈夫だもん。
こうやって心配してくれるようにもなったし。
きっと北斗も少しずつ、あたしの事好きになっていってくれてるよね…?
北斗と道を分かれた後、あたしは近くの本屋へ何気無く立ち寄ってみた。
様々なファッション雑誌が並ぶ中、いつも愛読している本にパラパラと目を通す。