君色


(なんか今日は一日が早かったなぁ。)


気が付けばもう放課後。
授業にもあまり集中できなかった。

まぁ、いつもたいして聞いてないけどさ。



最後の授業が体育だったので、あたしが素早く着替えて下駄箱へむかうと

風にサラッとなびく金髪が、そこに居た。


相変わらずきゃあきゃあと、派手な女子に囲まれている。


「待たせたねっ」


あたしはそう言って、とりまき達を跳ね除けるように割って入った。



「何なの?この女」

「マジうざい」



おーおー睨んでる睨んでる。


「あたしが先約だから、悪いねぇ」


あたしは須往の腕をグイっと引っ張って、足早に校門を出て行った。
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