君色
そういえば
忘れてたけど…

コイツ映画館行って10分で寝る男だ!!



「…やっぱやめよっか…こんなん見てもつまんないよね…」


そうだよね…

こういうの好きそうな感じじゃないもん…。



ラブラブって難しいな…

やっぱりあたし達には、まだほど遠いのかなぁ…?




「来いよ」

「え…?」

「見てぇんだろ?それ」



北斗があたしの腕に抱えられたツ○ヤの袋を指さした。




「え…いいの?」


北斗、ラブストーリー嫌いでしょ?


「おぉ」

「前のときみたいに寝ない…?」

「………がんばる」


あたしに…合わせようとしてくれてるんだ。



「えへへっ」


さっきまでの落ち込んでた気分が嘘みたいに晴れて
あたしは笑いながら北斗の手を握った。



「な、なんだよ急に」

「ううん~別に」



あたし、今、涙が出そうなくらい嬉しいよ…。


たったそれだけの事だけど、少しずつでも前に進めてるって実感できたから。




心が通じ合えるような恋人同士に早くなりたいなぁ。


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