君色
「何ぼけーっとしてんだよ。座れば?」


北斗がソファーを指さす。


「う、うん…」


そしてDVDをデッキにセットするとあたしの横にドカッと座った。


でかいソファーだと思っていたけど、隣に座られると意外にその距離は近かった。



「こ…ここでいよいよ…」

「あぁ?」

「うっ、ううんっ。なんでもない」

「つか何でソファーの上で正座してんの?」

「えっ」


北斗の指摘通り、あたしは無意識にソファーの上に正座をしていた。


絶対様子が変だって思われた…


なんかあたし、今日は空回りしてばっかりだ…




「今日のお前、なんか変」


やっぱし…(泣)




北斗が奇妙なものを見るような目であたしを見つめてきた。



そんな微妙な視線にも関わらず、あたしはついつい意識してしまう。



顔を赤らめて、試しに上目使いで見つめ返してみると北斗の微妙な視線は、しだいに変化を見せ始めた。


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