君色
おっ??

なんか…
いい感じじゃない!?


もしかしてこのまま目的達成!?




顔と顔の距離が少しずつ近づいていく。




覚悟を決めて、あたしが瞳を閉じた瞬間――――。




「…………っ」



急に北斗の顔が遠ざかった気配を感じた。





え―――…?


今、絶好のタイミングだったよね?




目を開けてみると、

「DVD始まるぞ」

と、焦って話題を逸らした北斗の様子はどう見ても挙動不審だった。



あたしの中に嫌でも認めざるを得ない現実が突き刺さる。




やっぱり…あたしはまだ二番目…。




ううん、本当はそんな事が気になってるんじゃないんだ。




ねぇ、北斗…。




あたしの事…すき?



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