君色
「つーか本当に俺が原因なのかよっ。お前らも余計な事言ってあいつを悩ませたりしてたんじゃねーの?」

「はぁ?何それ」

「責任逃れか?」



俺が、今しがた勢いで放ってしまった言動を反省し
頭をかきながら二人に謝罪しようとした、その時。



「あ」

山本が何か思い出したかのように口を開いた。


「そういえば…あたし余計な事言ったかも」

「え?」




俺は、次の瞬間には保健室へ走っていた。



気がつかないうちに、俺はあいつを悩ませていたんだな。


正直、甘えてた。



あまりにも居心地がいいから、いつの間にか…
前に進む事より、この穏やかな時間がずっと続けばいいと思うようになってたよ。



ごめんな、気づいてやれなくて。


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