君色
「あたしもごめん…」

「え?」

「どう、接していいかわからなくなっちゃったの…

触れて欲しいのに触れてもらえない…

ハンデがある分仕方ないのかなって思ってたし、前はこんな事くらいじゃこんなに動揺しなかった…。

でもそれが急に辛くなって…

今までどうやって気持ちを抑えてたんだっけって、思いだそうとしても思い出せなくて――…


北斗と顔を合わせると凄く胸が苦しくなった…。


大好きなのに嫌だった…。

ほんとはあたしが一番まどかに執着してたの…。


でもそれは、

昨日より今日
今日より明日
明日より明後日…

毎日毎日、北斗への気持ちが大きくなってるからなんだよ…」




流れてもまた溢れそうになる涙を揺らしながら、市川は心に閉じ込めていた胸の内を吐き出す。



その時、俺は初めて市川を愛しいと思えた。



あぁ、こいつが彼女でよかったな、と―――。


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