君色
購買でパンを買い終えた俺は、いよいよ本題にはいるべく、呼吸を整えた。


「なぁ、お前プレゼント何が欲しい?」

「北斗」

「ぶっ。俺、真面目に聞いてんだけど」


あっけらかんと大胆な事を言ってのける樹里の言葉に、俺は思わず吹いてしまった。


「あたしだって真面目に答えてるよ?駄目なの?」



なんでコイツはこういう事がサラッと言えるんだろーか…。



「他にはないの?」

「うーん…あ!観覧車乗りたい!」

「え?」


正直、予想外の答えだ。


「前は北斗に置き去りにされたからねー!今度こそ一緒に乗りたいな」

「あぁ…そんなんでいいの?」

「うんっ!すっごい楽しみ!!」




まぁ…本人がいいと言うならいいんだろう。



みんな、案外シンプルに過ごすもんなんだな、誕生日って。


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