君色
ねぇ…まだ、だめなの?


「あたし…いっぱい待ったよ…?」

「………………」


遠回りもたくさんした。




好きな人と一つになりたいって思うのは、いけない事ですか?


恥ずかしい事ですか?




「お願い…誕生日を一生忘れられない思い出にしたいんだ…。

生まれたその日に、好きな人と一つになれたら、あたしはきっと世界中の誰よりも幸せ者だよ」


「…………っ」







北斗の優しいキスの雨が、唇、耳、首筋にたくさん降り注いだ。







今夜、甘い甘い腕の中で…あたしはやっとあなた色に染まる事が出来るんだ――――――――…。


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