君色
「…見ない、追わない、喋らない…見ない、追わない、喋らない…見ない、追わない、喋らない…」

「……何それ、避難訓練?」

「ううん」

「じゃあ呪いだ?」

「違うよっ!北斗諸法度3ヶ条!!」

「はぁ?」



「ぶっ……」

俺は離れた場所で、思わず吹いてしまった。

「ははっ。バカな奴…」



ほんとバカ。


お前はいつもそうやって俺を笑わせてくれて、明るい気持ちにしてくれたよな。


なのに俺は…傷付けてばっかだった。


でも…思ったより元気でほっとしたよ。





幸せにしてやれなくて、ごめんな。




信じてくれとは言わない。


でも、お前への想いも

本物だったよ―――…。


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