君色
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北斗と別れてから、一ヶ月が経った。



きっと、はたから見れば、あたしは元気だったに違いない。



一生懸命笑顔を取り繕って、一生懸命明るく振舞った。



だけど…

本当は、痛くて、苦しくて、壊れそうだったよ。


北斗の家から飛び出した帰り道、声が枯れるまであたしが泣き叫んでた事なんて誰も知らないでしょう?



だから…そうでもしなきゃ、そこから前に進めなくなる気がしたんだ。



引きずるには充分すぎるほど、北斗の事が大好きだったから。





「…なんか須往、痩せたね。てかやつれた?」



休み時間、日向があたしの耳元でそう囁く。



それは、実を言うとあたしもちょっと気になっていた。

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