君色
冗談じゃない。
あんなのに番号なんて教えられるかっ。


はぁ…なんだか今ので一気に疲れた。



あたしが頼りない足取りで壁を伝いながらトイレに向かおうとした、その時。



「大丈夫?」

「えっ?」



顔を上げてみるとそこには、爽やか美少年があたしの身を案じてくれている姿があるではないか。




なにこの人っ!!
凄いカッコイイ!!


北斗みたいな憂いを含んだ美少年も素敵だけど

まだ可愛らしさが残るジャニーズ系もやっぱりイイ!


「君、504から出てきたよね?もしかして凄い飲まされたりした?」

「あ…もしかして、遅れてくるって言ってた人!?」

こんな所で…こんな形で…

こんな人に会えるだなんてっ!!


「うん、俺、川端純平。よろしくね」

「あっ…いえ、こちらこそっ!!」

「トイレ、一人でいける?ついていこうか?
あいつら、調子乗ってすぐコールかけて飲まそうとするから気をつけた方がいいよ」


しかもなんて優しい人なんだろう…!!

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