君色
はぁ……。


なんだか力が抜けるな。


酔っ払うってこういう感覚なんだ…。


身体が熱くて、目まいがして、思考が回らない。

気分は最悪だった。



大人はなんでこんなものが好きなの?

カクテルだって全然おいしくないしっ。


…このまま終わるまでここにいよっかな。




「…つまんなくなっちゃった?」



ドキッ。

この声は…



「純平くん…」


純平君はそっとあたしの隣に立って、心地よく吹く風をその肌で感じている。



さっきと少し違うのは、純平君の顔に赤みがさしていたこと。


きっと、酔っ払っちゃったんだ。

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