君色
あたしはきょとんとしながら後ろを振り返る。


「樹里ちゃんに自分の足で歩かなきゃだめだって言われた時さぁ、正直すげぇズシっと来た!」


純平君…?

あれ、何か雰囲気が違うような…。


「俺…ぶっちゃけ超モテるし、あの時も本当はそうゆう目的でホテルに運んだんだ。


今までそうやって寂しさ埋めてきたつもりでいたけど…


あんたの言う通り結局何も埋まってなかったんだよね。


俺、ほんとは全然いい人なんかじゃねーし、こうゆう性格だし。今まで猫かぶってたけど…

なんか、あんたには全部本当の事話したくなった」

「……………」

「ねぇ、前を向いてたらいつか…

消し去りたいくらいの四年間を愛しく思えたりすんのかな…?

憎しみは消えると思う?」



あたしは、正直そんな経験がないからわからない。


でも…


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