君色
待ち合わせは駅前のファミリーマート。

あたしの方が少し早く着いたみたい。

なんだか少し、緊張する。



「ごめんごめん、待った?」


顔の前で手を合わせながら、純平君が10分遅れで登場した。



そんな仕草も凄く可愛い!!



「大丈夫だよー!ってか何処行く?」

「そうだなぁ…とりあえずベタにゲーセン?」

「おっ、いいねぇ」



目的が決まると
そこから一番近いゲーセンに入って、あたし達は二人で出来るゲームを手当たり次第にプレイした。


あたし達の騒ぎ声、多分ゲーセン特有の騒音よりうるさかったんじゃないかな。

それくらい、夢中になっていた。


背が高いせいか、少し大人びて見える純平君も、今は小学生に逆戻り。


つられてあたしも年齢を遡る。



もともと、負けず嫌いで大人気ないしね、あたしの性格。



声が掠れてしまうくらい、いっぱい騒いで

腹筋が痛くなるくらいいっぱい笑った。



ねぇ、純平くん…


あたしたちには、

きっと


もう作り笑いは必要ないね。

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