君色
「樹里!!」



病院に着くと、待合室で待っていた日向があたしに駆け寄る。



「日向…北斗は!?」

「うん、今眠ってる」


あたしは日向に北斗がいる病室へ案内してもらい、命に別状が無かった事を確認すると、やっと一安心する事ができた。



ずっと緊張状態にあった神経が、いよいよそこから開放される。



元々色白な肌が青みがかって一段と白っぽく見える、北斗の寝顔。

とても、安心しきって寝ているようには見えなかった。


「なんで…?どうしちゃったの…?こんなの北斗らしくないよ…」



こんな所、北斗に似合わない。


一体彼の身に何が起こったというのだろうか。


あたしは終始、その疑問で思考を埋め尽くされていた。

< 247 / 270 >

この作品をシェア

pagetop