君色
「あいつ、片桐と市川の間で板ばさみになって、とうとうパンクしちまったんだろうな」
「な、なんで!?だって、北斗はあたしの事好きになれなかったんじゃないの!?まどかの事が忘れられなくて…だからあの時…」
“ごめん…樹里…ごめん…っ”
確かに北斗は泣きながらそう言った。
あの時、まどかの事が忘れられないから、お前の事はそういう風に見れないって…
あたしはずっと、そう言われたんだと思ってた。
「その逆だよ。あいつは、本気でお前に惹かれてたんだ…。
だから、自分の中の罪悪感がそれを邪魔したんじゃないかな」
「…………」
「言おうかどうか、迷ったんだけど…あいつ、毎晩片桐の幻覚にうなされてたみたいなんだ。
“円が俺を連れて行こうとしてる”って最近そんな事ばっかり言っててさ。
俺が知る限り、片桐はそんな奴じゃねぇって言い聞かせてたんだけど…やっぱりダメで」
幻覚?
うなされてた…?
聞きなれない言葉達が、ふわふわとあたしの頭の中を舞う。
「な、なんで!?だって、北斗はあたしの事好きになれなかったんじゃないの!?まどかの事が忘れられなくて…だからあの時…」
“ごめん…樹里…ごめん…っ”
確かに北斗は泣きながらそう言った。
あの時、まどかの事が忘れられないから、お前の事はそういう風に見れないって…
あたしはずっと、そう言われたんだと思ってた。
「その逆だよ。あいつは、本気でお前に惹かれてたんだ…。
だから、自分の中の罪悪感がそれを邪魔したんじゃないかな」
「…………」
「言おうかどうか、迷ったんだけど…あいつ、毎晩片桐の幻覚にうなされてたみたいなんだ。
“円が俺を連れて行こうとしてる”って最近そんな事ばっかり言っててさ。
俺が知る限り、片桐はそんな奴じゃねぇって言い聞かせてたんだけど…やっぱりダメで」
幻覚?
うなされてた…?
聞きなれない言葉達が、ふわふわとあたしの頭の中を舞う。