君色
「つーか性格ブスに言われたくないしっ!!遠くから見てる事しか出来ない根性
無しには悪いけどぉ、あたし達付き合い始めたの。もうあたしのオトコだから、
須往北斗には手出さないでくれるっ!!?」
気が付いたらあたしはそう叫んでいて
ざわっ。
と、いう教室のざわめきであたしは現実世界に引き戻されていた。
あぁーーーあ。
いっちまったぞ、と。
「う…嘘!!」
「………本人に聞いてみれば?」
我ながら恐ろしいハッタリだ。
「ちっ」
それがささやかな反撃だったのだろう。
悔しそうな顔を浮かべながら女達は退散していった。
はぁ…。
結局何がしたかったんだろう?あの人達は…。
あたしがボケーッと彼女たちの後ろ姿を見送っていると
「おい」
と低く太い声が聞こえたと同時に、バシッと何かで後頭部を叩かれる。
「げ!!!」
その張本人を見た途端、あたしは心臓が飛び出る程に驚いた。