君色
「中野は、なんでそんなにすんなり受け止められるの?妙に落ち着いてるけど…
もしかして、これが初めてじゃないの…?」

「いや…ここまで大事になったのは初めてだよ。
でも、なんつーか、アイツの心の弱さは、ガキの頃からの付き合いだし、わかっちゃうわけよ」


心の弱さ…


そうかな?


これってそんなので片付けられちゃう問題なのかな?



「だから、お前しっかり北斗のそばにいてやってくんね…?
じゃないとアイツ、マジで壊れちまうから…」

「………それっておかしくない?だってあたし達別れてるんだよ?」


そこまでする義理があたしにあるの?



「いや…そうだけど…とりあえず落ち着くまでは…」

「あたしがそばにいれば片付く事なの?それでまたあたしが離れたら、また同じ事になるんじゃないの?
あたしに…結婚もしないでおばーちゃんになるまで別れた男の世話をしろって?」

「そこまで言ってねーだろ?つか、そんな言い方なくね?」



手を差し伸べることは必要。

でも、それに甘えて自分の力で乗り越える気持ちがなければただの甘やかしだ。
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