君色
「中野は…北斗の友達でしょ!?なんでそんな…あいつをダメにするような事ばかり言うの…!?」

「え……?」


あたしは、そのまま走って病院を出た。


あのままあそこにいたら、中野にもっとひどい事を言ってしまいそうな気がしたからだ。




精神的なものの扱い方が難しいのはこれでもわかってるつもり。



みんなが労わる気持ちも分かるよ。



でもさ…北斗は、そんなの望んでるのかな…?


あたしは、いつか中野が話してくれた、北斗の昔の話を思い出していた。



上辺の付き合いに嫌ってほど、幻滅してきた北斗が…

その場だけの優しさなんて願ってるようには思えないよ…。

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