君色
木枯らしが吹く肌寒い季節に不似合いな、晴れ晴れとした青空が広がる今日この日。


いよいよ北斗が退院する。



中野と日向もかけつけ、こうやって四人で揃うのは、とても久しぶりだった。



北斗の荷物をまとめると、車の中に手早く詰め込み、
あたしたちは免許取りたての中野の運転で北斗の家まで走った。



車内は、ずっと静かだった。



屋上で四人でわいわいご飯を食べてたあの頃が嘘のようで…



あんな風にはもう…



戻れない気がした。


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