君色
ひんやりと冷たい風が俺の体を包んだ。




その時―――…。





―北斗―




風の音に混じって名前を呼ばれた気がして、俺はきょろきょろとあたりを見渡した。



するとそこには…



「………!!」



信号機の根元付近に、ボーッと懐かしい影が俺を見つめながら立っているではないか。





そんな…まさか…。




俺は何度か手の甲で瞼をこすった。





また…幻覚か…?




しかし、いつも見ていたものとは明らかに違う。
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