君色

―やっと…来てくれた―


「え……?」


―ずっと待ってたんだからね!この女不幸者!―


「???」



俺は涙を垂れ流したままの間抜けな表情で、唖然と目前に現れた円の姿を凝視していた。



信じられない…


俺は今、幽霊に怒られてるのか!?





何を言われるのかとビクビクしていると

円は怒るどころかおちゃらけながら


―本当はね、ちょっと北斗の様子を見たらちゃんと空へ昇るつもりだったんだけど…どうゆう訳かこっから動けなくなっちゃってさぁ~!―


と手を叩いて笑っていた。


もしも目の前の彼女が本当に幽霊なのだとしたら


それは属に言う地縛霊というやつだ…。

< 263 / 270 >

この作品をシェア

pagetop