君色
「俺…、ずっと円に許されたかったんだ…。こうやって…面と向かって謝りたかった…。」



―あたしは恨んでなんかないよ。むしろお礼を言いたいくらい、北斗には感謝してるんだ―




「え…?」



―あたしの事、いっぱいいっぱい愛してくれてありがと。


あたし…北斗と一緒に過ごした日々、絶対忘れないよ。


あっちに行っても…絶対に忘れない―



「…………」




―ねぇ、北斗。

あたしの分まで

幸せになってね…


あたしのせいでもう悲しまなくていいんだよ―




円は優しい顔でそっと手をさしのべた。



最後の…お別れの時間だ…。



俺は透き通ったその手をとって、実体の無い彼女を抱き締めた。





「さよなら…円…」





お前と出会って

俺は色んな事を学べたんだ。


俺も…お前の事、絶対に忘れないから…。



「ありがとう…」



涙で見えない視界を
一生懸命こらして


俺はまどかの最後の姿を見送った。

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