君色
しかし、彼は不機嫌に
「いらない」
と吐き捨てて、包みを受けとる事なく教室に入って行った。
「きっつ〜」
「慈悲の心まるで無し」
須往北斗、見た目も中身もそのまんまなクールガイ。
まぁ…あんだけ色んな女から騒がれてたら、そうなる気持ちもわからなくはないけど。
いちいち愛想振り撒いてたらキリが無いだろうし。
あ、いい忘れてたけど須往はあたしと同じクラス。
不機嫌に教室のドアをくぐった須往はこれまた不機嫌にあたしの隣の席にドカッと座った。
おとなりさんと言えど、会話を交した事は一度も無い。
でも、授業中に時々覗かせるあどけない寝顔は今の所あたしだけのものだ。