君色


『遊びに行こうよ!』

「(やっぱりか…)なんで俺がお前と遊びにいかなきゃなんねーの?」

『ウワベだけって言っても付き合ってるんだから休日でも遊びにいっとかないとボロが出るじゃん』

「そんな完璧に装う必要ねぇだろ」

『どうせ暇でしょ!?11時に駅ね!よろしく』

「ちょ、まてっ………」


プツッ。

プーップーッ。



人の話聞けよ!
暇だって決めつけやがって!!



……まぁ、暇だけど。



何故だかあいつの強引な態度に俺は、逆らう事が出来なかった。


なんだか懐かしいような感覚がこみあげてきて、反抗する事を忘れてしまう。


あいつといると、正直ちょっとだけ癒されている自分がいる事に、俺は気付いていたんだ…。
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