君色


「てか須往と音信不通なの!?あんたらうまく行ってないわけ?」


日向が声を荒げる。



うまく行ってないもなにも別に最初からウワベだけだったし…。


「フラレたの!あたし…」

「「えぇっ!?」」

日向と中野が声を重ねた。


「何でまた…そんな急に」

「知らないっ!飽きたんじゃない?理由聞こうと思って連絡しても電話にすら出ないって言う。」

「心当たりないの?」

「無いよ。瓦坂まで遊びに行った日に、急に“もう終りにしよう”とか言い出したんだよ?何もデートの最中にそんな事言わなくてもよくない!?」

「!!」

「おかげで後味最悪だよっ」

「瓦坂行ったのか…?」

中野が急に真剣な顔をして尋ねて来た。


「あ。あんたも地元瓦坂だっけ」

「よくアイツ嫌がらなかったな…」

「…いや、嫌がってたんだけど無理矢理連れてっちゃった」

「そんな事するから嫌われるんじゃないの?」


う……。
ですよね…。
反省してますとも。


つぅかそんなに嫌だったんなら、もっとハッキリ嫌だって言えばよかったじゃん。
< 40 / 270 >

この作品をシェア

pagetop