君色


「でも…どうしてそんなに嫌がるのかなぁ?地元にあんまりいい思い出が無いとか?」


日向があたしの聞きたかった事を代弁してくれた。




すると、


「実は…」


中野が妙に思いつめた表情で重い口を開き、その理由とやらを話始めた。


「あいつの彼女さ…2年前のクリスマスの日に…交通事故で亡くなってるんだよね…」


え―――?

あたしは一瞬耳を疑った。

「多分まだ、ふっきれてないんだな。
あいつ、それから暫く外に出られないくらい精神的にまいっちゃって…それでこっちに引っ越して学校も変えたんだ。
だから俺、市川が北斗と親しくなった時は嬉しかったんだぜ。少しはフッキれたのかなって思ったからさ」



そうだったんだ…。

それならアイツの時期はずれの転入も頷ける。
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