君色
「まどかだって、そんなの望んでないんじゃないかな!北斗が幸せになる事望んでると思…「わかった風な口聞いてんじゃねぇよ!!!!」
バァン!!!!
あたしの言葉を遮って
すぐ横の窓ガラスが力一杯叩かれた。
割れなかった事が奇跡に近い。
あたしは、その勢いと北斗の迫力に圧倒され、言葉を発する事すら出来なかった…。
「お前に何がわかんだよ!!偉そうに説教なんかしやがって!!」
「ごめ…」
そんなつもりじゃなかったんだけど…。
「もう俺に関わるな!お前みてぇに人の心に土足で入ってくるような奴が一番うぜーんだよ!!!」
北斗はそう言って、足早にその場から去って行った。
すぐに小さくなって行った後ろ姿に向かって、あたしは精一杯叫んでやった。
「無神経で悪かったわね!!」
なによ!
そのくらいじゃないと見向きすらしないクセに!
嘘でもよかった。
少しでも、あたしが北斗の心に入る隙間が欲しかっただけなのに…。
「ばかやろぉ…」
視界がどんどん霞んでいく。
泣くもんか。
絶対泣いてなんかやらないんだから。