君色
「あれ??北斗、お前メシくわねぇの?」
「…そんな気分じゃねんだよ。保健室に行ってくる」
(まぁたご機嫌ナナメか)
小学校からの付き合いだけあって流石、北斗の扱い方をマスターしている中野。
北斗を見送った後、彼はあたし達と合流を果たした。
「な…何事?」
あたしの醜態を見て驚きつつも、北斗の先ほどの様子を思い出して、なんとなく事態は飲み込んでいるようだ。
だから、あたしは中野にも包み隠さず正直に全てを話す事にしたんだ。
「なるほどね」
「でもちょ〜っと言いすぎよね、須往も」
「ねぇ、中野はまどかがどんな人か知ってるの?会った事ある?」
「んあぁ。よぉーく知ってるよ」
「どんな人だったの!?やっぱりチョー美人!?」
「美人…といえば美人だったけど、喋ると損するタイプだな、アレは」
「全然想像つかないし…」
「はは。俺もビックリしたよ、最初聞いた時は」
「“まどか”は俺らの中学の時の担任の先生だったんだよ」